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好々爺なんてなれないぜ

今年の夏は猛暑の予感。2017年7月とある海の日、連休の熱波小休止。荒天土砂降りのさなか、波多仲芳晴さんの個展にお邪魔しました。場所は函館ギャラリー三日月。昨年、同じく函館弥生町の長屋を改装したスペースで拝見した氏の作品展もインパクトありましたが、このたびも同系譜にある黙示録のような新作絵画が中心。自ら異形の画家と称するにふさわしい個性的な作品が展示されておりました。会場2階には還暦もとうに過ぎた無頼派芸術家の若き日、20代のころの作品も展示されておったのですが、40年、描画スタイルがほぼ変わっていないのに驚きました。それはウネウネと這う、爬虫類的な描線の表現。当時の作品におけるそのウネウネはあたかも青年期特有のまつろわぬ情念をなぞっているかのようで、むしろ清々しさを感じたりもするのですが、現在のそれは閉塞感うずまく現代の社会情勢を呪い、嘲笑うかのように奔放にうごめき、痛烈なアンチテーゼをかたどります。僕自身、その挑発的なメッセージというよりもどこか幻想的な世界観とポップな色使いにシンパシーを感じる身近な先輩作家のひとりです。憂国のアナキスト。あるいはユーモアと諷刺を武器に現代社会に挑むアジテーター。オツに澄ました紳士淑女は不協和音に顔をしかめる、波多仲芳晴の世界「未知の彼方から」は7月30日までギャラリー三日月にて開催です。

2017年7月
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