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自問自答、結句。

約8年ぶりの個展が始まりました。ただしここ数年は絵本制作やイラストレーションなどの仕事に執心していたこともあり、純粋なタブローの新作は個展が決まった6月から制作した十数点のみとなります。これらは特に目立ったコンセプトも設けず、既出のスタイルにも特段こだわらず、徒然なるままに描いてみました。いつもよりもマイルドで肩の力は抜けているかなーと。

展示作品は新旧すべてアクリル絵具で描かれているというのが共通項で個展のタイトルはずばり「AcrylicPaintings」としています。ここ10年のうちに制作した作品の選り抜き26点で、そこそこ見応えはあるかと思います。

会場は函館市末広町のシェアホテルHakoBA函館の館内で一般公開は土日祝日の15時から20時となっています(フロントにて入館手続きをする必要があります)。来年の6月までのロングラン公開で、作品はその間ホテルの調度品の一部となるわけですから、額装などいつもより少しばかり気を遣いました。意外に空間に馴染んでしまって小癪な感じですが、やはりそこそこ奇妙な雰囲気になったとは思います。

ここ10年の作品は押し並べて「自問自答」の痕跡。基本的に自分の表現行為はそれ以上でもそれ以下でもないと思っています。自分自身との対話の繰り返し。ボケとツッコミを独りで行う脳内アクロバット。そこで培養された世界観が作品の骨子となっているようです。自分の場合、創造のベクトルが排他的なまでに内側に向かうほど、空想に磨きがかかり作品の純度が高まる気がします。他者からの共感や同調など合理的コミュニケーションを訴求していたら、これらの作品は生まれ得なかったと確信しています。結果的にそれがいいか悪いかは別にして、私が表現する世界観は混沌や不条理をごく主観的に観察することによって生まれるひとつの視座であり、誰かと手を取り合い、分かち合うために育んだものではないということです。「幽霊船長と赤い人魚」はそのひとつの成果だと思っていますが、みなさんご指摘のとおり、難解で観念的な作品となりました。いわば極私的ドキュメンタリですから。そんな独りよがりを人様に晒し続けるのは実際すこし憚られるのではありますが、どこかまだ不遜な態度が残っているのだな。そこに普遍的なテーマがあるということを信じて、これからも懲りずに自問自答を繰り返し、作品を残していくのでしょう。そんな10年のなかでも新作の制作においては、イラストレーションを意識していたのか、今までとは少し違う視点で外の世界をみつめているような感覚がありました。暇があったら観に行ってやってください。

2018年11月
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