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卵売りには罪はない

天気の良い土曜日のAM。美術館の前庭でビラを配る、オタク風のニイちゃんが、これよりアニメ上映会が美術館講堂で始まるんで寄らんかねと。いずれ学生のアニメサークルかなんかの自主上映会でもやってるのかと鼻知らみ、苦味ばしって話を聞くと、さにあらず。それらは「アートアニメーション」がオモということで。ヒマだったし無料だったし好物だったし、こりゃ重畳と鑑賞することに。新千歳空港国際アニメーション映画祭のPRイベントの一環で、世界各国から集まった短編アニメ作品をいくつか紹介していました。以前相原信洋氏の追悼上映会も同じ美術館の講堂で見たなーと感慨にふけながら、冷房がキリキリと効いた館内へ。5分〜10分程度の短い作品を14本上映。おもいがけずグイグイ引き込まれて仕舞いまで観ちゃいましたー。前半は映画祭「よりぬき」の短編作品。ロシアや韓国など海外の作品も混じっていたのですが、日本で一般的に「アニメ」っていうと宮崎駿とか君の那覇とか長編は特になんですが絵柄や人物造形が類型的でそこが俺的に不満なんですが、今回の作品たちは絵がどれも独創的で好感触。短い時間で作家の世界観を凝縮させており、飽きさせない。アートっぽいといえば陳腐な分類ですが、ストーリーはどれも深刻で奥行きがあり、含蓄に富んでいました。日本勢もよかった。幸洋子のドキュメンタリー風の作品はほのかに文学的な香りもありましたし、姫田真武のポップでナンセンスな作品も絶妙な「毒」ありでよかったな。海外の作品はどこかリリカルでなぜか日本的な情緒や繊細さを感じる作品が多かったです。第二部は北海道在住の作家を紹介していたんですがこちらもレベルが高い。学生の作品も注目。自分は昨今の女学生作品にありがちなメンヘラ系の自己表現は苦手なんですが、その匂いをじゃっかん感じさせつつも、描画の繊細さと有機的な動きが秀逸だった三上あいこ作品。その他に映像作家として活躍する大島慶太郎、佐竹真紀のミニマルアート的なクールな視点。どれも押し付けがましくない透徹した世界観がありました。実はその日のお目当はお隣の芸術ホールで行われていた高森明の物故展・ゴツい油絵だったのですが、鑑賞後まとわりつく陰鬱な後味、それはそれで心地よい感傷に浸りながら、タバコ吸うとこねえかなって近隣うろついていた手持ち無沙汰のおっさん。そんな隙間で「今」の表現に偶然出会えたことは僥倖だったし、示唆に富んでいましたね。オタク風のニイちゃんに感謝。ビラ配り、侮れないねー。告知媒体の基本。実際、熱意が伝わったもの。世慣れした大人ぶって通り過ぎてたら勿体なかったわ。

2018年7月
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